半世紀以上の歴史を持つ長生医学は、
「霊肉一体の救済」の教えから始まりました。

長生医学の歴史は、浄土真宗へのひたむきな信仰心を持つ長生上人が、仏教の精神を基盤とした「霊肉一体の救済」の根本教義のもとに、自ら研究・確立した治療法を、『長生療術』と名付けた時から始まります。
長生上人は、心の救いだけでなく、同時に病気に悩む人の身体まで救済することが、真の信仰の道ではないかとの信念で、病気で苦しむ人たちの病状や身体についての調査を開始。
長年の資料収集、研究から「人体の中心は背骨にあり、すべての病気が大なり小なり脊椎に兆候として現われている」と考え、ついに「脊椎の転位が病原でありこの転位を矯正することによって根本的に病気を取り除くことができる」と確信しました。
そして、昭和6年12月「脊椎矯正法」が名古屋で産声をあげて以来、全国へ指導・普及に努め、同24年8月、浄土真宗の新派として宗教法人「長生教団」(のちに真宗長生派総本山長生寺)を設立。信仰心を要とする長生医術者のために、修練の場を設けました。さらに、長生医学をもっと多くの人に覚えてもらいたいという願いから学校設立に向けて尽力。
昭和29年に長生上人遷化の後も、志を共にしてきた二代目菅長柴田阿やを中心に支援者等とその遺志を継ぎ、ついに同31年、長生学園を設立するに至ったのです。
その後、前理事長の柴田正義が整形外科医の立場から更なる研究を加え、ことに第2頸椎の異常が脳神経や自律神経と密接な関係にあることを臨床医学的に立証し、「長生医学」として確立しました。現在、長生上人の精神は、長生学園の中で脈々と生き続け、長年にわたる実績から高い評価と信頼を集めて、順調な発展を遂げています。


「脊椎矯正」「精神療法」「プラーナ療法」の三位一体の治療が長生医学の基本です。

「脊椎矯正」「精神療法」「プラーナ療法」の三位一体の治療が長生医学の基本

長生(ちょうせい)、これは長生(ながいき)をするという意味に受けとられがちですが、命名の由来は、親鸞著述集「教行信証」信の巻「大信心は則ち是れ長生(ちょうせい)不死(ふし)の神方(じんぽう)」という一節からつけられたもので、「悟りを開き、永遠に魂を生かす」という深遠なる長生上人の願いが、こめられているのです。
治療に携わる者が、心に不安を抱いていたのでは満足な治療は出来ません。ゆえに不安をなくし、感謝と報恩の生活をさせて頂くことが大切であると考えられるのです。
この由来からも理解できるように、長生医学は信仰心をもって、心の安心(あんじん)を頂き、病気に苦しむ人々の肉体だけでなく、あわせてその精神をも救うことを、究極の目的としたものであり、信仰心を基盤にするという点において、他に例を見ぬ独自の道を歩んでおります。
長生医学は「脊椎矯正」「精神療法」「プラーナ療法」の三位一体の治療法によって病気の原因を根本より取り去り、各人に生まれつき備わっている自然治癒力を発揮させることにより、肉体と精神を健全に保ち、健康で長命で幸福な家庭生活を願う医学なのです。


脊椎矯正について

遺伝性の原因をもつ疾患が明らかになるにつれ、脊椎の重要性が改めて認識されてきました。しかし脊椎そのものの捻れに関しては、今日なお軽視される傾向にあります。

私たちは、長年の治療体験をもとに調査研究を重ねた結果、脊椎が真直ぐで、しかも捻れのない人は、ごく少数であり、このような人は重い病気にもかかりにくく、長命を保てるということが明らかになっています。

つまり脊椎に異常がおきると、神経が刺激、圧迫を受けて脊髄神経に障害をきたし、痛みや知覚異常をもたらします。また脊椎の異常は自律神経や脳神経にも密接な影響を与え、内臓の働きや血行が悪くなります。

頸椎上部、特に第2頸椎が捻れることで、頭痛、めまい、難聴、咽頭喉頭の異常感、時には吐き気などの症状を引きおこすことがわかっています。これに外傷が加わると更に捻れ、曲がりがひどくなり、耐えられない状態になるのです。
このような骨格の異常は子へと遺伝して、親と同様の症状をおこす場合もあるので、脊椎の曲がりや捻れを矯正することで、根本から体を整えていくことが大切になってきます。


精神療法について

人間は、精神(心)と肉体の共存によって生きています。たとえば、精神的な悩みがあると、その反応として食欲不振や不眠などの症状、また肉体的疾患に見舞われると、不安や心配で気分もすぐれず、身体の調子が悪化するように感じられます。このように肉体の病気と精神の悩みは表裏一体であり、両面からの治療が必要となります。

これまで、医療の世界では肉体的な面のみが重視されがちで、精神的な面については軽視されてきましたが、近年では心理的、社会的なストレスが種々の消化器病や、心の病の原因とされるようになりました。うつ病をはじめとした精神疾患に加え、胃潰瘍、狭心症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、摂食障害といった心身症に属する疾患が増え続けています。このような心身症に相当する病気には、肉体面の変化の背後に精神的な原因が必ずあるものです。だからこそ心の治療、つまり精神療法が重要となるわけです。

精神療法では、患者の気持ちをよく理解し、親身に相談に乗りながら解決への手助けをさせて頂く。そのためには、患者から信頼される人格を身につける事が、肝要になります。


プラーナ療法について

宇宙万有に活力を与える原質であり、生命の源をなすものをプラーナと言います。これは、精気または霊気とも呼ばれており、人間はもちろん全ての動植物は、生きている限り、常にプラーナを呼吸や食物を通じて摂取したり蓄えたりしながら生存しているわけです。

心配事があったり、苦労、不養生やストレスの溜まるような生活を続けると、蓄えたプラーナが消失していきます。一度失ったプラーナを取り戻すことは、なかなか困難なことですが、日頃から精神修行に励み、心身の養生に努めれば、全身に十分プラーナが蓄えられ、健康を維持することができるのです。
さらに、健康な人には常にプラーナが満ちているので、病気で悩む人の患部に手を当てると、プラーナが放出され、それによって症状の程度を把握し、合わせて正思念(良くなれと念じること)することで、病気の回復を早めることもできます。

長生医学では、このプラーナの力を診断と治療に応用することで、最大の治療効果を得ています。